カンザー。マングローブの森が呼んでいる!その①

ふむにちわ!
ふむベトのゾースケです。

記念すべき「行き当たりばったび」の第一回目!
ということで、
「行き当たりばったび」の主旨について簡単に。

日本とは勝手が違うベトナム。
人も文化も、いろんなルールも、違います。
そんな土地で旅に出れば、予定どおり行かないことはしばしば。
最低ラインの目的は死守しつつ、
あとは野となれ山となれ、
流れに身をまかせてしまおうじゃない!

・・・という企画です。

予定を立てるのがおっくうなだけなんじゃ・・・
はい、そのとおりです!

というわけで今回は、
ホーチミン市内から南へ30キロ前後、
カンザーという地域へいってきました。

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カンザーはベトナム語でCần giờと書き、
「カンザー」という表記は北部弁での読みになります。
南部では、「カンジョー」または「カンヨー」のように発音します。

カンザーはぼくにとって、特別な土地です。

昔の話になりますが、
17年前ぼくはNGOのマングローブ植林ツアーに参加しました。
その土地が、このカンザーなのです。
12歳だったぼくがはじめて外国に触れたのがベトナム、
そしてそのほとんどがカンザーでの体験でした。

くわしくはあとでご紹介するとして、
もう出発しましょう!
いざ、カンザー!
いや、カンジョー!
もしくは、カンヨー!

カンザーはホーチミン市内から日帰りで楽しめるスポットです。
しかし、早起きは三文の得!
朝5時半に起き、6時には出発!

という心もちでしたが、
相棒との朝ごはんでのんびりしすぎて、
ホーチミン市内を出るころにはもう7時でした。

ちなみに、こちらが今回の相棒。

photo

ベトナム人にはめずらしく顔出しNGということなので、
iPadで適当に描いた似顔絵でご容赦ください。
絵を描く機材をまるまる日本においてきたので、
しばらくはiPadでのイラストになります。
難しい!
iPadで絵を描くのは、むずかしいです。
タイさん、こんな絵ですみませんね。
すこしずつ、練習しておきます。

脱線してしまいましたが、
相棒の名はタイ(Tài)さん、御年38歳、妻子持ち。
カンボジアと国境を分かつアンザン/An Giang省出身で、
話す言葉にもいわゆる南部弁とはすこし異なる、独特のなまりがあります。
現在はホーチミン市内在住、職業はセーオム(バイクタクシー)です。
バイクタクシーだけで食べていけるの!?
という疑問をお持ちかもしれませんが、
奥さんがお姉さんのテーラーで裁縫の仕事をしており、
家計は奥さんとタイさん双方の稼ぎで支えています。
このような例は、ベトナムの観光都市ではよくある話です。

セーオムのおっちゃんと付き合うことには、
ぼられたり、よからぬ罠にはめられたり、という危険もあります。
最初は近場へのタクシーとして利用し、人格を見定める。
信用できるようであれば、付き合いを深めていく。
“ディープな”ベトナムを知るため、
現地の「大衆の声」を肌で感じるため、
ぼくは常々このような手法をとっています。

しかし、深く付き合うのには慎重さも必要です。

所詮、ベトナム人と外国人。
まとまったお金を貸してくれなどと言われたら、
相手はあなたに「お金」しか見ていないのかもしれません。
もちろん、この人は信頼できるぞという人もいましたが、
ぼくも過去に何度かさびしい思いをしたことがあります。

ここは異国の地、 信用したい気持ちとならべて、用心も大切!

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さて、またまた脱線しましたが、今度こそ出発です!
朝日を浴びながら、カンザーを目指してバイクを走らせます。

まずはカンザーへの入り口となる、ビン・カンフェリー乗り場を目指します。

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フェリー乗り場はベトナム語でBến phàと言います。
bếnはここでは「船着き場」、
phàは「フェリー・渡し船」の意です。
Bến phà Bình Khánhで「ビン・カンフェリー乗り場」です。
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ホーチミン市内からバイクで約30分、
フェリー乗り場に到着します。

右側にチケット購入のレーンがあります。
バイクでそのまま進入し、チケットを買います。
バイク一台と、大人ふたりで5.500ドンなり。
日本円にして、約30円です。
(2014年12月現在)

安っ!
なんか、すみませーん!

日本でフェリーというと、
ほとんどが海路ということを差し引いても、
けっこうします。

ぼくも、
明石海峡のたこフェリー(今はない)、
和歌山~徳島間の南海フェリーを利用したことがありますが、
とても比較になりません。

南海フェリーは海路で約二時間半、
ビン・カンフェリーは河、約10分、
比較なんてできませんね。

しかし、5.500ドンというと、
ホーチミン市内ではローカル路上カフェでお茶を飲める程度。
日本のフェリーが観光色が強いのに対して、
こちらでは橋がないので、
みんなの足として、必須の交通手段です。

客数も便数も多いので、
これでも十分にやっていけるのかもしれませんね。

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向こう岸からのフェリーが到着し、
車もバイクも続々と降りてきます。
こんどはこちらが乗り込む番です。

着いたばかりのフェリーに、
そのまま乗り込んでいきます。
点検とか、しないのかしら・・・。
いや、したのかも。超速で、したのかも・・・。

え~い!
いざ!

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ブロロ・・・。

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ブロロロロ・・・。

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ブロロロロロロ・・・。

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ブロロロロロロロロ・・・。

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ブロロロロロロロロロロ!!

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・・・ふう。

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・・・はあ。

向こう岸まで約10分、あっという間です。
バイクにまたがったまま、船に揺られていきます。

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豊富な水を蓄えた大河。
乾季でこれなら、雨季にはどんな風になるのかしら。
いま渡っているこの川は、
ホーチミン市内のサイゴン川も合流している
ニャーベー川(Sông Nhà Bè)です。
川はカンザーの西を抜け、そのまま海へ流れ出ます。

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途中、向こう岸からのフェリーとすれ違いました。
運行間隔、みじかいです。

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五分もすれば、向こう岸の船着場が見えてきます。

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向こう岸にある家々。
水面の上に立っています。

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もうすぐそこです!

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着きました。
ブロロロロロ・・・!!

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逆光で見づらいですが、
「ようこそ、カンザーへ」と書かれた門がお出迎え。

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門をくぐったところです。
SEE YOU AGAIN の文字が!
見るんじゃなかった!これから行くのです!
余談ですが、
むかし近所のおじさんが、
「シー・ユー・アゲイン。なにもあげ(い)ん。」
と言っていたのを思い出しました。
真意のほどは、いまだに謎です。

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門をくぐったら、商店がたくさんあります。
タイさん曰く、
ここがカンザー地区で一番都会だ、とのこと。
ここが、と、都会!?
大学一年のときに来て以来約10年ぶりですが、あまり変わっていないようです。
地区全体が国立公園なので、当然なのかもしれません。
木を植えたぼくにとっては、
自然が守られているということは素直にうれしい。

そこへ、ぼくのこころの静寂をやぶる相棒タイさん。

タイさん:ここいらで食いものとか飲みものとか、いっぱい買っていこうぜ!

ぼく:えー!まだ九時ですやん!

タイさん:ちゃうねん、むこう行ったらなんもないねん!あっても旅行者向けで、高いよってに!

ぼく:そ、そうか。じゃ、買っていきましょか。

タイさんが、空のリュックを持ってこいと言ったわけが判明しました。
ぼくがガッテンしていたころ、
彼はすでにロースト・アヒルの店の前にいました。

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タイさん:おばちゃん、アヒル半身でちょーだい!あとパンふたつ。

おばちゃん:はいよー!

ぼく(こころの声):いや、おれに確認しなさいよ!でも、う、うまそう。。

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うまそうです。

長くなりそうなので、次回につづきます。
はたして、森までいけるのかしら。

(つづく)

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