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Red seabream

日本の食文化のシンボルはベトナムでも健在。

マダイ

Pagrus major

Red seabream

Cá tráp đỏ

スズキ目タイ科マダイ属の、マダイ。
北海道南部以南、東シナ海、南シナ海の海域に棲む。
ベトナムでは北部から中部にかけて水揚げがある。

食用として市場に出回るのは数十センチのものだが、成長すると1メートルにも達する。
生後3年で30センチになり、40年生きると言われる。
天然物は養殖に比べ赤色が鮮やかな傾向にある。
体側面の青白い斑点は、死ぬと目立たなくなる。

「腐ってもタイ」や「めでタイ」などの言葉があるように、
日本の食文化の象徴する魚のひとつでマダイに似る魚を「~ダイ」と呼ぶことが多いが、
例えばイシダイや、キンメダイ、アマダイなどは実はタイ科の魚ではない。

漁獲後の扱い方で食味が大きく変化する魚で、
自然に死ぬのと活け締めでは食感が大きく変わる。
上品な白身で何と言っても刺身が美味であるが、
皮下に旨味があるので皮をつけたまま霜造りにするのがおすすめ。
(霜造り:皮に湯をあてたあと冷水で締め、水気を切る)
塩焼きも非常に美味しく、鍋物、フライ、ムニエルなど料理法を選ばない万能魚である。
粗(アラ)からは良いダシが出るので、鍋物や鯛めしのダシにはぜひ使用しタイ。
白子や真子も美味で見逃せない。

ベトナムではハイフォン、ダナン、フエ、ニャチャンなど、
北部から中部にかけての沿岸部の市場でよく見かける。
同じく白身のナンヨウチヌなどと似た扱いで、
焼き魚や煮つけになる。

また一般的には、
本種のように赤いタイのような魚はCá tráp đỏ
また単に赤い魚は総じて Cá hồng と呼ばれるので、
市場でその名を耳にしても、本種である可能性は五分五分といったところである。
見分け方
オーストラリアから南シナ海にかけて生息する、
同じくマダイ科のゴウシュウマダイと見た目も味もそっくり。
ゴウシュウマダイは成魚になると額が著しく隆起することで見分けられるが、
若い魚は区別がつきにくい。

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