【ハノイ】さくらHoaAnhĐào幼稚園、ハノイ日系幼稚園のパイオニア
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ふむにちわ!
ゾースケです。
ぼくが学生時代にハノイに留学していたころは、
ハノイある日本人幼稚園の数はおろか、
日本人幼稚園があるのかどうかさえ、気にも留めませんでした。
しかし今、子どもがいる状態でベトナムと向き合ってみると、
一番気になるのは勝手なもので、必然的に子どもの教育のこと。
今やハノイでは片手の指の数にも届かんとしている園の数ですが、
留学当時はたったひとつ、日系幼稚園はひとつしかありませんでした。
ハノイで初めて日系幼稚園として、
園長の塩川桜先生によって2005年に開園した園、
それが今回お邪魔した「さくらHoaAnhĐào幼稚園」です。
さくらHoaAnhĐào幼稚園はタイ湖の北東部、
外国人が多く住むエリアにあります。
Âu Cơ通りを挟んでほぼ対面には、
2014年に開園したばかりのひまわり幼稚園があります。
なお、同じハノイのなかよし幼稚園のレポートで、
ハノイで初の日系資本100%であるとご紹介しました。
これは正確には開園時にどうであったかということで、
今回のさくらHoaAnhĐào幼稚園も、
2008年の法改正を受けて日系資本100%に切り替えられたそうです。
つまりこちらでも述べていますように、
経営について協議する合弁相手がいないので、
園の運営が限りなく園の、園長先生の意のままに行えるということです。
これが園のベトナム語名です。
Trường Mầm Non は「幼稚園」、
HOA ANH ĐÀO は「さくら」(の花)を意味します。
HOA が「花」、ANH ĐÀO は「桜桃」の漢字をあてることができ、
「さくらの花」の意になります。
なお、別記事で紹介している桜モンテッソーリ幼稚園とは、
名前は似ていますが全く違う幼稚園です。
バルコニーがいっぱいの園舎
こちらが開園当時より個人宅を借り切って使っているという第一園舎。
「バルコニーがいっぱい」というのは、
あらゆる建物へのぼくの個人的なよろこびですが、
個人宅といっても別荘級の大きな敷地で、
建物もしっかりとしています。
そして、バルコニーがいっぱい。
と言いながらもバルコニーへの興奮のあまり、
第一園舎のバルコニーのほとんどを撮り忘れてしまいました。
しかし!
保育園見学シリーズでおなじみの、
「ゆっくりコーヒーが飲みたくなる」スペースがありましたよ!
ここはバルコニー、ではありませんが、
バルコニーのようなものです!
広い園庭がまどいっぱいに見渡せます。
お迎えに来た親御さんを遠目にみつけて、
子どもたちがはしゃぐ場所でもあるそうです。
ああ、日当たりがいい。
一日中、ねそべっていたい。
そして、たまにコーヒーが飲みたい。
一階には調理室と事務室があり、
園児たちが過ごすのは二階と三階。
こちらは二階、なのはな組。
クラス名のボードは開園当初からのもので、
園長先生のお母さまがお描きになったものだそうです。
ぶしつけながら、そのハイセンスに思わずパシャリ。
大量の絵本です。
日本から持ってきたもの、
日本へ帰る子たちが置いて行ってくれたもの、
開園から現在までの園の歴史を感じます。
園長のさくら先生いわく、ゆうに千冊以上あるそうです。
さて、お決まりのトイレです。
誰がどう見ても、トイレです。
子ども用の、小さなトイレ。
しかも、バスタブまでついてます。
と、前回まではここで終わっていましたが、
今回は訳が違いますよ!
いっきにいきます!
トイレ、そしてバスタブ!
トイレ、そしてバスタブ!!
トイレ、そしてバスタブ!!!
そうれ、トイレ、トイレトイレ!!
同じ字を一度に何度も書いたり見たりして、
なんだかその字がその字じゃないような感覚になったこと、ありませんか?
難しい言い回しではこの現象を、ゲシュタルト崩壊といい、
ぼくも何度か経験したことがあります。
これだけトイレを見ていたら、
「トイレ」という文字列がトイレじゃないような気がしてきますが、
いくつもの園でトイレを撮り続けてきたぼくにとって、
トイレは崩壊と再生を繰り返し、今ふたたび、
トイレはトイレを指しています。
小さな、子ども用のトイレです。
さて、気分をかえて外にでます!
広い園庭、そしてきんかん畑のおもかげ
外にでて、こちらが園庭です。
テニスコート二個分はあるでしょうか、かなりの広さです。
特に、砂場がとても広い!
この砂場で、夏はどろあそび、冬は相撲をするそうです。
これだけ広いと、砂のトイレとか、作れそうですね。
そして、砂場以外のスペースも広い。
写真奥の人工芝のスペースではサッカーをしたり、
園庭全体をリレーやかけっこをするほどの広さです。
幼稚園を見学する度に思うことですが、
園庭が広いということだけでぼくまでうれしくなります。
それはおそらくわが子の姿を想像して、
もしここで遊んだならいい笑顔になるんだろうなと、
その度に妄想するからでしょう。
ちなみにこちらの園では放課後に園庭を解放し、
子どもたちと一緒に遊んで帰る親御もおられるそうです。
ぼくは息子の顔を見ながら、
砂場の縁に腰かけてコーヒーを飲みたいなぁ。
園舎の横にはプールがあります。
もともとは大人用の深いプールで、
底上げして子ども用にしているそうです。
この日はあいにく雨模様でプールを見ると震えがきましたが、
夏の暑い日にこのプールに入っていると、幸せな気分になれそうです。
プールの横には多目的ホール。
このホールの場所は昔きんかん畑だったそうで、
園児の増加を受けて新たにホールを建てたそうです。
ホールは間仕切り式になっており、
複数の保育室としても使えるほか、
仕切りを取り払って発表会などにも使用しているそうです。
この時はちょうど仕切りをとった状態で、
子どもたちはリトミック運動の真っ最中でした。
リトミック運動をする子どもたちを横目に、
ぼくの背丈ほどもある、手作りの大きな絵本。
子どもたちが発表会で自ら読んでみせてくれるそうです。
すぐ近くには、第二の園舎
第一園舎から外に出て数十メートル、
年中さんと年長さんが入る第二園舎があります。
周辺は閑静な、ちょっと高級な住宅街。
車どおりはほとんどなく、テトを迎えるための国旗が掲げられていました。
歩いて一分たらず、第二園舎に到着です。
こちらのボードも、園長先生のお母さまによるもの。
ぶしつけながら、ハイセンス再び!
ちょうど子どもたちは先ほどのホールに集合していたので、
第二園舎には掃除のおばちゃんをのぞき誰もいませんでした。
第二園舎、保育室のひとつです。
けっこうな広さです。
こ、これは・・・
またしてもバルコニー!!
う~ん、やはりまどを取り払って、
おじさんはぬりえをしながらコーヒーを飲みたい。
上にあがって、またバルコニー。
まどはない、もひとつないのはコーヒーだけ。
こちらは子どもたちに大人気の、屋根うら部屋。
おばけがでそうな、ちょっと薄暗いあやしい雰囲気。
はいでました、おばけ。
子どもたちお手製のおばけたち。
子どもたちの楽しげな姿が浮かぶようです。
ちなみに、上述トイレラッシュのうちの最後のふたつは、
こちら第二園舎のトイレです。
第一園舎に、トイレ、トイレ、トイレ、
第二園舎に、トイレ、トイレ。
断わっておきますが、
園長先生が言っていたわけでもなく、
特に園の方針であるわけでもありません。
しかしこの園は間違いなく、
ベトナムでもっともトイレに恵まれた日系幼稚園です。
バランス重視の教育方針
園の教育方針についてお聞きして、
ぼくが抱いた感想は「バランス重視」ということ。
日本人のための、日本式の教育であることは確かなのですが、
ベトナムで暮らしているということに目をつむるのではなく、
中秋節を祝ったり、バッチャン焼の絵付けをしたり、
ベトナムにいることも大いに感じながらの園児の暮らし。
そして、年齢の異なる子どもたちがひとつの環境で生活をとおして、
下の子たちを助けたり教えたりしながら協調性を、
上の子たちをまねしたりあこがれたりするなかで積極性を、
総じては集団の中で生きていくための社会性を身につけます。
保育者と親が、ちゃんと会うということ
他の園にはあって、
さくらHoaAnhĐào幼稚園にはないものがあります。
それは、送迎バス。
送迎は保護者が直接園まで出向きます。
背景には、園の、園としての在り方への想いがあります。
子どもたちの親御さんと直接会って、
毎日話をすることで生まれる子どもへの共通理解。
リアルな「共有」があるからこそ、
子どもたちの成長をぶれなく、もれなく、よろこび合うことができる。
子どもたちは、自分をちゃんと映して具体性のある笑顔をくれる大人という鏡に、
安心し、一緒によろこんで暮らしていける。
でも、
送迎バスがないというだけで選択肢から外されることもある。
と園長先生はおっしゃっていましたが、
他の園も増えてきた今だからこそ、
園の独自の在り方を堅持してほしいとぼくは思いました。
日本の幼稚園、特に保育園では当たり前である親による送り迎え。
改めて言われてみれば、
先生方と日々顔を合わせることの大切さもさることながら、
帰り道、慌ただしい日常がぼくと息子からはなれて、
ただ帰るだけのふたりだけの時間、
これこそが親にとっても子にとっても、
人生における珠玉のひとときなのではないかと思いました。
家に帰るとまた猛スピードで回りはじめる時間の前に、
自転車の後ろと前で、手をつないだ右とひだりで、
なんでもないことをしゃべりあう時間。
いろんなものごとの、
スピードが上がり、量が増え、目も移り、
なかなかなんでもないでは済まない日常。
子どもを育てながら仕事をしている親にとっては、
それらに目を留めている時間さえもないのかもしれません。
そんな毎日の中で、ただ帰るだけ、
他にやることといえば、親と子が、話をするだけ。
そんな時間は、なんでもないけれど、
とてもうれしく、
しっかりと目を向けるべき時間なのではないでしょうか。
送迎バスのあるなしに関わらず、
ほとんど自戒の念のようになってしまいましたが、
ベトナムという異国の地へ来て暮らすことになったなら、
不慣れな環境や新しい体験にとられる視線があるとともに、
敏感な時期の子どもに向ける視線もしっかり持ちたいものです。
ありがとうございました
さくらじゃなく、桃の花。
節分のおりの桃の花だそうです。
節分のときに投げる豆は、
もともと桃の実だったということはご存じでしょうか?
子どもたちは肌でベトナムを感じながら、
ちゃんと日本を学んでいるようです。
さくらHoaAnhĐào幼稚園さま、
どうもありがとうございました。
住所:Số 275, Tổ 36, đường Âu Cơ, phường Quảng An, Quận Tây Hồ, Hà Nội
WEBサイト:http://sakura-hoaanhdao.com/
ブログ:http://sakurahoaanhdao.janken-pon.net/
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