ベトナムのじっかんじゅうにし
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ふむにちわ!
今回は、
ベトナムのじっかんじゅうにしについて見てみましょう。
え?
「じっかんじゅうにし」ってなんだいですって?
それは・・・
十干十二支 です!
はじめから漢字で書くと、
サラリと素通りをくらってしまいそうなので、
ひらがなに釣りの役割をやってもらったわけです。
さて!
十干十二支とは何でしょう?
後ろの方の「十二支」は、
みなさんご存じの、ね、うし、とら、う・・・
つまり、干支(えと)です。
元来は中国で考えられたもので、
日本をはじめ周辺の国々に伝わりました。
それでは、
頭の「十干」とは何でしょうか?
これも古代の中国で考えられたもので、
順序を表す10個の要素です。
・・・は???
そうですよね。。
今回の目的は、
ベトナムの干支(えと)について見ることです。
しかし、
日本とどこが違うか、どんな特徴があるのか、
それをちらっと確認するだけではおもしろくありません!
ベトナムの干支についてディープに掘り下げるために、
じっかんじゅうにしについて、
いえ、
十干十二支 について、
すこしだけおつき合いくださいませ。
(ベトナムの干支だけを知りたい場合はコチラ)
十干(じっかん)とは
十干が誕生したのは、
はるか昔の中国、殷朝の時代であるとされています。
人がものを数えるようになり、
その手段として最初に用いられたのは身近なもの・・・
そう、それは手の指でした。
やがて十本の指に代わるものとして、
つまり数詞の役割を担う「十干」が生まれます。
十干をすべて挙げると、
甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、
己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)。
殷では十個の太陽が毎日交代で姿を現し、
十日でひと巡りするとされていました。
十干は、それらの太陽たちにつけられた呼び名であるとされています。
また、日本の「甲・乙・丙」の順位付けも、これに由来しています。
五行説の登場
時は流れ、古代中国は周朝・春秋戦国時代。
万物は木・火・土・金・水の五種類の元素からなるという自然哲学、
いわゆる「五行説」が生まれます。
陰陽思想の誕生と陰陽五行説
春秋戦国時代末期、
森羅万象、つまり世の中のあらゆる出来事を、
陰(いん)と陽(よう)のふたつにカテゴライズしようという考え方が生まれます。
互いに相容れないふたつは対立する気であり、
どちらが善、どちらが悪というわけではなく、
相反する陰と陽のふたつがあってはじめて、
すべてのものは存在し、調和するという思想です。
やがてこの陰陽思想は、
先の五行説と一体として扱われ陰陽五行説となりました。
陰陽五行説と十干の出会い
ものを数える手段であった十干は、
森羅万象をひもとく陰陽五行説と、結ばれるべくして結ばれました。
五行説の、木・火・土・金・水。
陰陽思想の、陰と陽。
十干の、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。
五行説の五つそれぞれに陰と陽のふたつが配され十個になり、
次の表のように、
その十個それぞれに十干が割り当てられ、
暦などを表すようになりました。
五行 | 陰陽 | 十干 | 日本での通称 |
木 | 陽 | 甲 | 木の兄=きのえ |
陰 | 乙 | 木の弟=きのと | |
火 | 陽 | 丙 | 火の兄=ひのえ |
陰 | 丁 | 火の弟=ひのと | |
土 | 陽 | 戊 | 土の兄=つちのえ |
陰 | 己 | 土の弟=つちのと | |
金 | 陽 | 庚 | 金の兄=かのえ |
陰 | 辛 | 金の弟=かのと | |
水 | 陽 | 壬 | 水の兄=みずのえ |
陰 | 癸 | 水の弟=みずのと |
なお日本では表の右の列のように、
陰と陽はそれぞれ、
弟(と)と兄(え)として、
例えば、
甲 ⇒ 木の兄(きのえ)
乙 ⇒ 木の弟(きのと)
などと呼ぶようになりました。
十干・陰陽五行説と十二支
さて、
本題の十二支に話を戻しましょう。
実は十二支も、
殷朝の時代に十干と組み合わされて、
年月や時間、方位などを表す数詞として用いられていました。
当時の十二支は、
生命が生まれては消えゆく循環の過程を表したもので、
後になって親しみやすいように、
次のように、それぞれに動物が当てられるようになったとされています。
子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
ね | うし | とら | う | たつ | み | うま | ひつじ | さる | とり | いぬ | い |
鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 猪 |
さて、
その十二の動物が割り振られた十二支ですが、
日本ではこの十二支こそが、
まさに「えと」であると認識している方が多いのではないでしょうか?
しかし!
と、凄むまでもなく、
これまでの話の流れからも明らかなように、
十干と十二支を組み合わせたものこそが十干十二支、
つまり、
十干の「干」と十二支の「支」で、
正真正銘の干支(えと)なのです。
そして、「えと」という読み方は十干の陰と陽、
兄(え)と弟(と)に由来すると言われています。
やっと、
”じっかんじゅうにし” が出てきましたね!
10の十干と12の十二支はかけ合わされ、
全部で 60通りの組み合わせになりました。
六十干支とも呼ばれるそれらすべてを挙げると下記のようになります。
長すぎる!
興味ない方は、スクローーール!!
(もしくはココをクリック)
六十干支 | 五行・十干 | 陰陽 | 十二支 | 読み | 対応年 | ||
1 | 甲子 | 木(き)甲 | 兄(え) | 子(ね) | きのえね | 1924 | 1984 |
2 | 乙丑 | 木(き)乙 | 弟(と) | 丑(うし) | きのとうし | 1925 | 1985 |
3 | 丙寅 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 寅(とら) | ひのえとら | 1926 | 1986 |
4 | 丁卯 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 卯(う) | ひのとう | 1927 | 1987 |
5 | 戊辰 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 辰(たつ) | つちのえたつ | 1928 | 1988 |
6 | 己巳 | 土(つち)己 | 弟(と) | 巳(み) | つちのとみ | 1929 | 1989 |
7 | 庚午 | 火(か)庚 | 兄(え) | 午(うま) | かのえうま | 1930 | 1990 |
8 | 辛未 | 火(か)辛 | 弟(と) | 未(ひつじ) | かのとひつじ | 1931 | 1991 |
9 | 壬申 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 申(さる) | みずのえさる | 1932 | 1992 |
10 | 癸酉 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 酉(とり) | みずのととり | 1933 | 1993 |
11 | 甲戌 | 木(き)甲 | 兄(え) | 戌(いぬ) | きのえいぬ | 1934 | 1994 |
12 | 乙亥 | 木(き)乙 | 弟(と) | 亥(い) | きのとい | 1935 | 1995 |
13 | 丙子 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 子(ね) | ひのえね | 1936 | 1996 |
14 | 丁丑 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 丑(うし) | ひのとうし | 1937 | 1997 |
15 | 戊寅 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 寅(とら) | つちのえとら | 1938 | 1998 |
16 | 己卯 | 土(つち)己 | 弟(と) | 卯(う) | つちのとう | 1939 | 1999 |
17 | 庚辰 | 火(か)庚 | 兄(え) | 辰(たつ) | かのえたつ | 1940 | 2000 |
18 | 辛巳 | 火(か)辛 | 弟(と) | 巳(み) | かのとみ | 1941 | 2001 |
19 | 壬午 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 午(うま) | みずのえうま | 1942 | 2002 |
20 | 癸未 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 未(ひつじ) | みずのとひつじ | 1943 | 2003 |
21 | 甲申 | 木(き)甲 | 兄(え) | 申(さる) | きのえさる | 1944 | 2004 |
22 | 乙酉 | 木(き)乙 | 弟(と) | 酉(とり) | きのととり | 1945 | 2005 |
23 | 丙戌 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 戌(いぬ) | ひのえいぬ | 1946 | 2006 |
24 | 丁亥 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 亥(い) | ひのとい | 1947 | 2007 |
25 | 戊子 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 子(ね) | つちのえね | 1948 | 2008 |
26 | 己丑 | 土(つち)己 | 弟(と) | 丑(うし) | つちのとうし | 1949 | 2009 |
27 | 庚寅 | 火(か)庚 | 兄(え) | 寅(とら) | かのえとら | 1950 | 2010 |
28 | 辛卯 | 火(か)辛 | 弟(と) | 卯(う) | かのとう | 1951 | 2011 |
29 | 壬辰 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 辰(たつ) | みずのえたつ | 1952 | 2012 |
30 | 癸巳 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 巳(み) | みずのとみ | 1953 | 2013 |
31 | 甲午 | 木(き)甲 | 兄(え) | 午(うま) | きのえうま | 1954 | 2014 |
32 | 乙未 | 木(き)乙 | 弟(と) | 未(ひつじ) | きのとひつじ | 1955 | 2015 |
33 | 丙申 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 申(さる) | ひのえさる | 1956 | 2016 |
34 | 丁酉 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 酉(とり) | ひのととり | 1957 | 2017 |
35 | 戊戌 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 戌(いぬ) | つちのえいぬ | 1958 | 2018 |
36 | 己亥 | 土(つち)己 | 弟(と) | 亥(い) | つちのとい | 1959 | 2019 |
37 | 庚子 | 火(か)庚 | 兄(え) | 子(ね) | かのえね | 1960 | 2020 |
38 | 辛丑 | 火(か)辛 | 弟(と) | 丑(うし) | かのとうし | 1961 | 2021 |
39 | 壬寅 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 寅(とら) | みずのえとら | 1962 | 2022 |
40 | 癸卯 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 卯(う) | みずのとう | 1963 | 2023 |
41 | 甲辰 | 木(き)甲 | 兄(え) | 辰(たつ) | きのえたつ | 1964 | 2024 |
42 | 乙巳 | 木(き)乙 | 弟(と) | 巳(み) | きのとみ | 1965 | 2025 |
43 | 丙午 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 午(うま) | ひのえうま | 1966 | 2026 |
44 | 丁未 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 未(ひつじ) | ひのとひつじ | 1967 | 2027 |
45 | 戊申 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 申(さる) | つちのえさる | 1968 | 2028 |
46 | 己酉 | 土(つち)己 | 弟(と) | 酉(とり) | つちのととり | 1969 | 2029 |
47 | 庚戌 | 火(か)庚 | 兄(え) | 戌(いぬ) | かのえいぬ | 1970 | 2030 |
48 | 辛亥 | 火(か)辛 | 弟(と) | 亥(い) | かのとい | 1971 | 2031 |
49 | 壬子 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 子(ね) | みずのえね | 1972 | 2032 |
50 | 癸丑 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 丑(うし) | みずのとうし | 1973 | 2033 |
51 | 甲寅 | 木(き)甲 | 兄(え) | 寅(とら) | きのえとら | 1974 | 2034 |
52 | 乙卯 | 木(き)乙 | 弟(と) | 卯(う) | きのとう | 1975 | 2035 |
53 | 丙辰 | 火(ひ)丙 | 兄(え) | 辰(たつ) | ひのえたつ | 1976 | 2036 |
54 | 丁巳 | 火(ひ)丁 | 弟(と) | 巳(み) | ひのとみ | 1977 | 2037 |
55 | 戊午 | 土(つち)戊 | 兄(え) | 午(うま) | つちのえうま | 1978 | 2038 |
56 | 己未 | 土(つち)己 | 弟(と) | 未(ひつじ) | つちのとひつじ | 1979 | 2039 |
57 | 庚申 | 火(か)庚 | 兄(え) | 申(さる) | かのえさる | 1980 | 2040 |
58 | 辛酉 | 火(か)辛 | 弟(と) | 酉(とり) | かのととり | 1981 | 2041 |
59 | 壬戌 | 水(みず)壬 | 兄(え) | 戌(いぬ) | みずのえいぬ | 1982 | 2042 |
60 | 癸亥 | 水(みず)癸 | 弟(と) | 亥(い) | みずのとい | 1983 | 2043 |
あれ?
十干の10と、十二支の12なんだから、
全部で120なんじゃないの?
と思われた方、スルドイ!
実は、
十干と十二支が組み合わされるとき、
陰(弟)と陽(兄)の組み合わせはなく、
陰(弟)と陰(弟)、
陽(兄)と陽(兄)の二通りの組み合わせだけになります。
そのため、
120の半分の60通りになるのです。
陰(弟)と陰(弟)・ 陽(兄)と陽(兄)のふたつは、
十二支の中では子(ね)から順に、
奇数番目は 陽(兄)と陽(兄)、
偶数番目は 陰(弟)と陰(弟) となりました。
これらの60通りは年に割り振られると、
60年でひとまわりするということになります。
60歳で還暦、
「暦が還る」の文字どおり、
還暦はこの十干十二支の組み合わせに由来しています。
また、
既婚の私などはすこしホッとしているのですが、
丙午(火の兄 × 馬:ひのえうま)年の女性は気性が荒く、
夫を早死にさせるという迷信(あくまで迷信です!)もここから来ています。
ガッテン!
まあ、丙午年は直近で1966年なので、
1985年生まれの私にとっては母親くらいの年なので、
生涯の伴侶になってもらえること自体、可能性は低いんですけど。。
ベトナムの十二支
やっと、ここまで来ました。
しかし!
もう皆さんは、
「えと」についてはよく知っているので、
十二支でも干支でも、
十干十二支でもどんと来い!です。
まずはおさらいとして、
中国で生まれた十二支をもう一度確認してみましょう。
子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
ね | うし | とら | う | たつ | み | うま | ひつじ | さる | とり | いぬ | い |
鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 猪 |
これが、
ベトナムの十二支ではこうなります。
鼠 | 水牛 | 虎 | 猫 | 龍 | 蛇 | 馬 | 山羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
ねずみ | すい ぎゅう |
とら | ねこ | りゅう | へび | うま | やぎ | さる | とり | いぬ | ぶた |
卯(うさぎ)が猫に!?
十二支に親しむ各国でウサギ年を迎えるそのとき、
ベトナムではネコ年がはじまります。
なぜ猫になってしまったのか気になるところですが、
一説によると、
中国語の卯の発音 mão がベトナム語の猫 mèo になんだか似てるし、
ウサギよりもネコのほうが俺たちに身近だしー!!
という背景があるようです。
ほんとかしら・・・。
まあ、ウサギはかわいいだけですが、
ネコは米を食い荒らすネズミを退治してくれるからいいのかもしれません。
亥(いのしし)が豚に!!
これくらいは歴史のいたずらですよね。
豚の先祖はイノシシですし、
何と言ってもベトナムは、
世界で4番目に多くブタを飼育している国であり、
食肉の全体消費量でも豚肉は80%弱を占めるという高い割合なのですから!
そしてなにより、
丸々と太った豚はベトナムでは「豊かさ」の象徴で、
家々にある貯金箱は高確率で豚のかたちをしています。
丑(うし)が水牛に!
耕うんのためのすきを引く水牛と、それに乗る少年・・・。
ベトナム農村地域の、心休まる風景。。。
市場では牛肉といえば水牛のお肉だった。。。
牛が水牛でも、いいんです!
ちなみに、
十二支の動物が親しまれている国の中で、
上の「ウサギ」⇒「ネコ」の入れ替わりは、
タイやチベット、ベラルーシなどでも見られるものですが、
牛が水牛なのはベトナムだけなんだとか。
未(ひつじ)がヤギに!?
ヤギ。漢字で書くと、山羊。
ベトナムでは、食べちゃいます。
あったかい鍋に香ばしい焼肉、
おっぱい肉をぜひどうぞ。
笛を吹いたのは、釈迦じゃない?
動物たちに集合をかけたのもベトナムではお釈迦様ではなく、
道教の事実上の最高神、
玉皇大帝(玉帝)ということになっています。
道教の寺院(道観と呼ばれます)はホーチミン市の華人街、
チョロンに多く集まっており、
玉皇大帝は東南アジアの華僑の間で最も崇められている存在です。
彼が動物たちを集める役割を担うことになったのも、
華人たちの影響があったのかもしれませんね。
ちなみに、
ハノイの有名な観光スポット、
西湖の湖岸にある鎮武観も道教の寺院です。
(道教寺院には「観」がつくのが慣わしです)
以上のような中国との違いについて、
ベトナム人の方から積極的に話してくることはあまりないのですが、
こちらから違いについて尋ねると、
とても誇らしげに教えてくれる印象があります。
中国文化に受けた影響は計り知れないながらも、
過去1000年にわたって中国の支配を受けた歴史や、
1979年の中越戦争の経験を加味すれば、
「中国とちょっと違う」という事実は、
ベトナムの人々にとってのアイデンティティーなのかもしれません。
十干十二支の特別な年
1968年 土の猿
つまり土の兄 × 申 で、
ベトナム戦争最大の転換期、テト攻勢があった年です。
「テト攻勢」はベトナム語で Sự kiện Tết Mậu Thân と言い、
1968年1月30日、
北ベトナム人民軍と南ベトナム解放民族戦線による、
アメリカ軍と南ベトナム軍への大攻勢が展開されました。
※ Tết【節】は節句を表し、特に但し書きがない場合は旧正月を表します。
2007年 金の豚
豚が紅色の飛行機で活躍する映画が大好きな私ですが、
こちらは紅ならぬ金の豚。
2007年は丁亥(ひのと・い)、
つまり火の弟 × 豚 で、金運に恵まれるとされた年でした。
我が子の幸せを願って、ベトナムでは出生率があがったとか。
2012年 水の龍
水を得たサカナならぬ、
水を得た龍。
2012年は壬辰(みずのえ・たつ)、
つまり水の兄 × 辰 で、
この年に生まれた男の子は強運を授かるとされ、
男の子の誕生が望まれた年でした。
十干十二支とベトナム語
最後に、
十干十二支にまつわるベトナム語をご紹介します。
まず、十干および十二支を正式に書く場合、
ベトナムでは中国のものをそのままベトナム語読みします。
十干 | |
漢字 | ベトナム語 |
甲 | giáp |
乙 | ất |
丙 | bính |
丁 | đinh |
戊 | mậu |
己 | kỷ |
庚 | canh |
辛 | tân |
壬 | nhâm |
癸 | quý |
十二支 | |
漢字 | ベトナム語 |
子 | tý |
丑 | sửu |
寅 | dần |
卯 | mão |
辰 | thìn |
巳 | tỵ |
午 | ngọ |
未 | mùi |
申 | thân |
酉 | dậu |
戌 | tuất |
亥 | hợi |
十干と十二支の別名 in ベトナム語
古代中国で十干は太陽の呼び名であったことから、
別名を「天干(てんかん)」と呼び、
これに対し十二支は「地支(ちし)」と呼ばれます。
ベトナム語でもこの表記にのっとり、
十干を thiên can 【天干】、
十二支を địa chi 【地支】と呼び表します。
また、
「十」と「十二」を表す thập および thập nhị を用いて、
thập can 【十干】
thập nhị chi 【十二支】という場合もあります。
十干の「甲」はひと周りの単位
甲(こう / 木の兄:きのえ)はベトナム語では giáp と書きます。
1 giáp でひと回り、つまり12年を意味し、
十二支のワンサイクルの単位として用いられます。
十干十二支60通りもまとめるのは「甲」
giáp は十干十二支60通りの組み合わせの一巡を表す言葉でもあります。
60歳の還暦は 1 giáp を経た証しです。
ちなみに「還暦」は、
「華」に「甲」と書いて hoa giáp と言います。
あなたは何どし?
日本では、
「きみ、何年?」
「うさぎ年だよー!」
というような会話がありますが、
十干十二支があるベトナムでも、もちろんあります。
上記をそのままベトナム語にすると、
mèo!
となります。
は「年」、 は「何」、 は「猫」という意味です。
「ウサギ」をちゃんと「ネコ」にするのをお忘れなく!
最後のおまけに、
上の十干と十二支を掛け合わせるだけの、
ベトナム語の ”じっかんじゅうにし” をどうぞ。
1 | 甲子 | giáp tý | 31 | 甲午 | giáp ngọ |
2 | 乙丑 | ất sửu | 32 | 乙未 | ất mùi |
3 | 丙寅 | bính dần | 33 | 丙申 | bính thân |
4 | 丁卯 | đinh mão | 34 | 丁酉 | đinh dậu |
5 | 戊辰 | mậu thìn | 35 | 戊戌 | mậu tuất |
6 | 己巳 | kỷ tỵ | 36 | 己亥 | kỷ hợi |
7 | 庚午 | canh ngọ | 37 | 庚子 | canh tý |
8 | 辛未 | tân mùi | 38 | 辛丑 | tân sửu |
9 | 壬申 | nhâm thân | 39 | 壬寅 | nhâm dần |
10 | 癸酉 | quý dậu | 40 | 癸卯 | quý mão |
11 | 甲戌 | giáp tuất | 41 | 甲辰 | giáp thìn |
12 | 乙亥 | ất hợi | 42 | 乙巳 | ất tỵ |
13 | 丙子 | bính tý | 43 | 丙午 | bính ngọ |
14 | 丁丑 | đinh sửu | 44 | 丁未 | đinh mùi |
15 | 戊寅 | mậu dần | 45 | 戊申 | mậu thân |
16 | 己卯 | kỷ mão | 46 | 己酉 | kỷ dậu |
17 | 庚辰 | canh thìn | 47 | 庚戌 | canh tuất |
18 | 辛巳 | tân tỵ | 48 | 辛亥 | tân hợi |
19 | 壬午 | nhâm ngọ | 49 | 壬子 | nhâm tý |
20 | 癸未 | quý mùi | 50 | 癸丑 | quý sửu |
21 | 甲申 | giáp thân | 51 | 甲寅 | giáp dần |
22 | 乙酉 | ất dậu | 52 | 乙卯 | ất mão |
23 | 丙戌 | bính tuất | 53 | 丙辰 | bính thìn |
24 | 丁亥 | đinh hợi | 54 | 丁巳 | đinh tỵ |
25 | 戊子 | mậu tý | 55 | 戊午 | mậu ngọ |
26 | 己丑 | kỷ sửu | 56 | 己未 | kỷ mùi |
27 | 庚寅 | canh dần | 57 | 庚申 | canh thân |
28 | 辛卯 | tân mão | 58 | 辛酉 | tân dậu |
29 | 壬辰 | nhâm thìn | 59 | 壬戌 | nhâm tuất |
30 | 癸巳 | quý tỵ | 60 | 癸亥 | quý hợi |
なんだか、
目がチカチカしてきますね。
でも、これであなたもきっと、
ベトナムの干支マスターになったはずです!
ベトナムの年賀状には干支が必ず書いてあります。
次の新年が待ち遠しい!?
(おわり)
-
出典
- 国際連合食糧農業機関(FAO) 統計
- 旧暦で読み解く日本の習わし 暦(日本史小百科)
- ベトナムの事典 (東南アジアを知るシリーズ)
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