Vietnam Foodspedia
Red swimming crab
イボガザミ
Ghẹ đỏ(赤いガザミ)と呼ばれる、赤褐色の遊泳性カニ。
Monomia haani (Stimpson, 1858)(WoRMSで受容される学名。文献には Monomia haanii の綴りも見られる。)Portunus haanii (Stimpson, 1858)(2026年のベトナム水産当局関連資料や流通資料で用いられる旧来の表記。現在は Monomia haani に対応づけられる。)Portunus haani (Stimpson, 1858)(WoRMSなどで Monomia haani に対応づけられる旧組み合わせ。)
イボガザミ(日本の海洋生物データベースで Portunus (Monomia) haani に当てられる和名。古い分類体系では P. gladiator 側にまとめられた記録がある。)
Red swimming crab(FDAや水産流通で Monomia haani に用いられる英名。)Warty swimming crab(本種に用いられる英名の一つ。)
どんな食材?
イボガザミは、最後の一対の脚が平たい櫂のようになったガザミ科の遊泳性カニで、ベトナムの2026年水産資料では ghẹ đỏ として扱われる。甲羅は赤褐色から橙赤色で、細かな赤い点や線、白い斑が入り、中央には淡い縦筋が見える。甲羅の左右前縁には歯が並び、最も外側の歯が長い棘状に張り出す。
蒸して殻から外した赤ガザミ類の製品では、白い身にしっかりした食感があり、甘みを伴う濃いカニ味と説明される。本種は中国・ベトナムで商業的に利用され、丸ごとのカニよりも、ほぐし身や塊肉として加工流通することが多い。
ベトナムでの使われ方
ベトナムでは本種が漁業対象になっており、2026年の水産当局関連通知では ghẹ đỏ として、底びきではなく刺し網と籠・わなによる漁業コードが分けて示されている。通知は、これらの漁業で得たカニとその製品を米国向けに輸出できることにも触れている。
加工品では、蒸したカニから身を手作業で取り出し、塊の大きさごとに分けた冷蔵・冷凍や低温殺菌のカニ肉として流通する例がある。ベトナム産の Monomia haanii を明記した製品には lump、jumbo lump などの規格があり、脚の遊泳筋や胴の白い身を用途別に使い分けている。
見分け方
Ghẹ đỏ という名前だけでは種を決められない。今回の対象であるイボガザミは、赤褐色から橙赤色の甲羅に細かな斑や線が入り、中央に淡色の縦筋が見え、前側縁には9歯が並んで最外側の歯が長く横へ伸びる。一方、同じ ghẹ đỏ とされることがあるシマイシガニ Charybdis feriata は、甲羅中央に目立つ白い十字形の模様と縦方向の太い帯が出る。名称だけでなく、甲羅中央の模様と側縁の歯の形を合わせて見ると区別しやすい。
