Nước mắm cốt・nhỉとは? 「一番搾り」とヌックマムの抽出工程を解説

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ふむにちわ!

ヌックマム(nước mắm は、魚と塩を発酵・熟成させて作る、ベトナムを代表する魚醤です。ベトナム語では nước mắm と書き、日本語では「ヌックマム」と表記されます。

その製造では、魚と塩を混ぜて発酵・熟成させている仕込み物を chượp(チュオップ) と呼びます。日本酒や醤油でいう「もろみ」に近い、まだ製品になる前の状態です。十分に熟した chượp は chượp chín と呼ばれ、chín はここでは「熟した」という意味です。

ヌックマムの商品名や製法の説明を見ていると、nước mắm cốt(ヌックマム・コット)――熟した仕込みから最初に得る液――や、nước mắm nhỉnhĩ(ヌックマム・ニー)――滲み出る・滴り出るようにして得る液――という言葉に出会うことがあります。

どちらも日本語では「一番搾り」のように説明されることがありますが、二つの言葉が注目している点は同じではありません。

Nước cốt は、十分に熟した chượp から最初に取り出した液を表す言葉。一方、nước mắm nhỉ は、液がどのように滲み・滴って出てくるかに由来する呼び名です。

さらに、ヌックマムは熟した chượp から液を一度搾って終わるわけではありません。熟成前に生じる初期液の管理、濾過、液を抜いて戻す循環抽出、後続液の抽出、最後の配合まで、複数の工程を経て製品になります。

この記事では、「最初に出た液=一番搾り」ではない理由から、nước cốt と nước mắm nhỉ/nhĩ の違い、伝統的な濾過・循環抽出、後続液、配合まで、ヌックマムの抽出・仕上げ工程を順に解説します。

ヌックマム全体についてまず俯瞰したい場合は、以下の記事がおすすめです↓

目次

Nước mắm cốt と nhỉ/nhĩ|まず違いを整理

最初に、この記事で最も混乱しやすい二つの言葉を整理しておきましょう。

Nước cốt と nước mắm nhỉ の違い

Nước cốt/nước mắm cốt
chượp chín(十分に熟した chượp)から最初に抜き取るヌックマム。液を取り出す順序に注目した言葉です。

Nước mắm nhỉ/nhĩ
熟した chượp から液が少量ずつ滲み出る・滴り出るようにして得られるヌックマムを指す伝統的な呼び名。液の出方に注目した言葉です。

実際の製造現場では、両者が同じ液を指すこともあります。ただし、言葉の意味まで同一というわけではありません。

Nước cốtとnước mắm nhỉの違いを示す図
Nước cốt と nước mắm nhỉ は同じ液を指すこともあるが、前者は抽出の順序、後者は液の出方に注目した呼び名。

Nước cốt とは?|熟した chượp から最初に抜く液

Nước は「水・液体」、cốt はもともと「骨」を意味し、そこから「芯・中心となるもの」といった意味でも使われます。食品では nước cốt という形で、素材から得られる濃い液やエキスを指すことがあります。

たとえば、ココナッツの果肉から搾り出した濃い液は nước cốt dừa と呼ばれます。

ベトナム国家標準 TCVN 8336:2010 は、nước cốt「chượp chín から最初に抜き取るヌックマム」と定義しています。

同規格では、そこから得られる nước cốt について、色・香り・味・見た目などの特徴と、成分についての基準も定めています。

Nước cốt に求められる状態

色・香り・味・見た目
色は麦わら色~赤褐色。ヌックマム特有の香りと、はっきりしたうま味・後味を持ち、透明で濁りがないことなどが求められます。

成分の基準
アミノ酸態窒素/総窒素の比率は45%以上、塩化ナトリウムは200g/L以上と定められています。

一方、Phú Quốc の製法や地域資料では nước mắm cốt という表記が使われます。国家標準では nước cốt、Phú Quốc の資料では nước mắm cốt と、資料によって表記が異なります。

ただし、「最初に抜き取る」という定義は、一度流れ出した液をそのまま瓶詰めするという意味ではありません。Phú Quốc では、熟した chượp から抜いた液を樽へ戻し、何度も循環させて透明な状態へ整えてから nước mắm cốt とします。

Nước mắm nhỉ/nhĩ とは?|「一番」ではなく「滴る」

Nước mắm nhỉ という名前を理解する鍵は、nhỉ という古いベトナム語にあります。

Mắm nhỉ は、nước mắm nhỉ を短く呼んだ言い方です。

Huình Tịnh Paulus Của が19世紀末に編纂したベトナム語辞典 『Đại Nam quấc âm tự vị(大南国音字彙)』 は、nhỉ を「少しずつ流れ出る」「じわじわと滲み出る」という意味で説明しています。さらに một nhỉ を「一滴」とし、用例として nước mắm nhỉ そのものを載せています。

つまり、nhỉ が表している中心は、液の「順位」ではなく「出方」です。

歴史辞典で確認できる表記は nhỉ ですが、現在の商品名や行政・業界資料では nhĩ も広く使われています。商品に nước mắm nhĩ と書かれていても別種類のヌックマムという意味ではなく、現在は表記の揺れがあると考えるのが分かりやすいでしょう。

「nhỉ」「nhĩ」と書いてあれば最高級?

TCVN 8336:2010 は nước cốt を定義していますが、nước mắm nhỉ/nhĩ を全国共通の品質等級として定義しているわけではありません。

良質な chượp から得られる nước cốt や、そこから自然に滴り出る nước mắm nhỉ が高級品として扱われることはあります。こうした液を cốt nhỉ と呼ぶ例もあります。しかし、名称だけで最高級と決まるわけではありません。原料、熟成状態、抽出方法、窒素量、香り、味、透明度などを総合して見る必要があります。

工場で一度だけ口にした mắm nhĩ――「濃い!」

以前、Hải PhòngCát Bà 島にある生産工場を訪ねた際、現地で mắm nhĩ と呼ばれていた液を一度だけ口にしたことがあります。

当時の率直な感想を一言で表すなら、「おいしい」より先に「濃い!」でした。留学したばかりで、まだヌックマム自体に慣れていなかったこともあると思います。

強烈に塩辛いはずなのに、ただ塩が刺さってくる感じとも違う。現在の味覚でもう一度口にしたら、あのときとは違う感じ方をするのかもしれません。資料だけでは分からない、いつかもう一度確かめてみたい味です。

出典・参考:Viện Tiêu chuẩn Chất lượng Việt Nam(VSQI)「TCVN 8336:2010 Chượp chín」TCVN 8336:2010「Chượp chín」本文(nước cốt の定義と品質基準)/Huình Tịnh Paulus Của『Đại Nam quấc âm tự vị』Nhỉ 項同辞典 Mắm 項(nước mắm nhỉ の用例)

「最初に樽から出た液=nước cốt」ではない

Nước cốt は「熟した chượp から最初に抜き取る液」です。しかし、魚と塩を仕込んだ後、樽や甕から初めて出てくる液が必ず nước cốt とは限りません。

魚と塩を混ぜて chượp を仕込む

nước bổi(熟成前の初期液)が出る場合がある

発酵・熟成

chượp chín(十分に熟した chượp)

lù(濾過部)・kéo rút(循環抽出)

nước cốt(最初に得る魚醤液)

nước mắm long(後続の魚醤液)・pha đấu(配合)

製品としてのヌックマム(nước mắm)

※製法は産地・製造者によって異なります。nước mắm nhỉ は、この流れの全国共通の一段階を示す言葉ではありません。

この違いを理解するため、まずは熟成前に現れる nước bổi から見ていきましょう。

熟成前にも液体は出てくる――nước bổi

魚と塩を混ぜて仕込むと、塩の作用によって魚から水分が出てきます。Phú Quốc や Phan Thiết などの伝統製法では、chượp が十分に熟すより前の段階で、この液体をいったん抜き取る工程があります。

この仕込み初期の液が、nước bổi(ヌック・ボイ)です。

製法によっては、仕込みから数日ほどで nước bổi を抜き、塩分を確認・調整したり、日光に当てて温めたりしたうえで、再び chượp へ戻します。具体的な時期や扱い方、日光に当てる目的は産地や製法によって同一ではありません。

Nước bổi を日光に当てる理由については、液を温めて熟成条件を整えることに加え、臭いを飛ばす、殺菌する、水分を減らして成分を濃縮するといった説明もあります。ただし、これらの説明は製法や資料によって異なり、すべての産地に共通する目的とは限りません。

温度は魚のたんぱく質を分解する酵素の働きにも影響するため、nước bổi を温めて chượp へ戻すことは、熟成条件の管理とも関係します。

Nước bổiを抜き、管理してchượpへ戻す工程の一例
Nước bổi の扱いの一例。初期液を抜き、管理したうえで chượp へ戻す製法がある。

製造資料には、仕込み初期の若い nước bổi を nước bổi non、工程が進んだものを nước bổi già と呼ぶ例もあります。non は「若い・未熟な」、già は「老いた・熟した」という意味です。

ただし、何日経てば non から già になるという全国共通の期間があるわけではありません。

bổi とは、どういう意味?

一般のベトナム語で bổi には、枝葉や草、籾殻などが入り混じった「粗いもの・雑多なもの」を指す用法があります。nước bổi の名称も、まだ熟成していない初期の液の状態と結びつけて説明されることがあります。

ただし、名称の由来には諸説があり、一つに確定できません。製造用語としては、まず「魚と塩を仕込んだ初期に魚から出てくる、まだ熟成前の液」と理解するとよいでしょう。

ここで重要なのは、魚と塩を仕込んでから、chượp が熟す前の段階ですでに液体が出ることです。したがって、単純に「樽から最初に出た液=一番搾り=nước cốt」とは言えません。

出典・参考:Hội Nước mắm Phú Quốc「Chỉ dẫn địa lý」(仕込み初期の nước bổi の抜き取り・再投入)/VATFI「Nước mắm truyền thống được làm ra như thế nào?(Phần 2)」(nước bổi の管理と工程)/Hiệp hội Nước mắm Truyền thống Việt Nam「Bình Thuận: Tự hào có nước mắm Phan Thiết」(Phan Thiết の nước bổi と抽出工程)

熟した chượp から、どうやって液体を取り出す?

長い発酵・熟成を経て chượp chín になったら、いよいよヌックマムとなる液体を取り出します。

Lù――樽の中に設ける濾過・排液の仕組み

大型の木樽を使う伝統製法では、樽の底部付近に と呼ばれる濾過・排液構造を設ける方法があります。

Lù は、単なる樽の出口や蛇口ではありません。籾殻、竹材、石などの自然素材を組み、chượp の固形物を樽の中に残しながら、液体を通す仕組みです。材料や具体的な組み方は、産地や設備によって異なります。

この lù を通った液を樽の外へ出す開口部が lỗ lù です。lỗ は「穴・開口部」という意味なので、文字どおりには「lù の穴」と考えると分かりやすいでしょう。

伝統的な構造では、lỗ lù から竹などの管を通して液を外へ導く例があります。液は、chượp → lù(濾過部)→ lỗ lù(出口)→ 排液管の順に通って樽の外へ出ます。

伝統的な木樽の内部に設けるlùと排液構造の模式図
伝統的な木樽にみられる lù の模式図。固形物を樽の中へ残しながら液体を外へ導く。

全国どこでも木樽と lù を使うわけではない

木樽と lù を使う方法は、伝統的な抽出法の代表例のひとつです。地域によって方法は異なり、Nam Ô のように、熟した chượp を竹製の器具や布などで濾し、液体を少しずつ落とす製法もあります。

抜いて、戻して、また抜く――kéo rút

ここで、日本語の「搾る」という言葉から少し離れて考える必要があります。

伝統的なヌックマム造りでは、熟した chượp を強い力でぎゅっと圧搾して液体を取り出すとは限りません。

たとえば Phú Quốc では、lù を通った液を樽の下部からゆっくり抜き、再び chượp の樽へ戻して、また抜くという操作を繰り返します。この工程が kéo rút(ケオ・ズット)です。

Kéo は「引く」、rút は「引き抜く・抜き取る」といった意味を持ちます。ただし、魚醤製造でいう kéo rút は単純な抜き取りではなく、液を抜き、chượp へ戻し、再び通す循環抽出を指します。

kéo rútで熟したchượpから液を抜き、上から戻して再び通す循環抽出の図
Kéo rút――液を抜き、chượp に戻し、再び通す循環抽出

この操作を繰り返すことで、chượp の中から成分を引き出しながら、濁りの少ないヌックマムへ整えていきます。

Phú Quốc の製法では、chượp chín から流れ出した液を何度も kéo rút し、透明になったものを nước mắm cốt とします。つまり、最初に一回だけ搾って終わりではありません。

出典・参考:Hội Nước mắm Phú Quốc「Chỉ dẫn địa lý」(lù、kéo rút、nước mắm cốt の工程)/QCĐP 01:2023/KG「Nước mắm Phú Quốc」

Nước cốt を取った後も、抽出は続く

樽に残る固形側――cái chượp

Nước cốt を抜き取った後、樽や甕の中には魚由来の固形部分が残ります。

TCVN 8336:2010 は、このnước cốt を抜き終えた後の chượpcái chượp と定義しています。

ここでの cái は、「cái bàn(机)」のように物につける類別詞とは別の用法です。汁気のある食品について、液体側に対する固形部分・中身側を表します。

Cái chượp には、まだ魚由来の成分が残っています。そこで、この固形側からさらに成分を取り出します。

「二番搾り」?――nước mắm long とは

Phú Quốc の製法では、nước mắm cốt を取った後の chượp から、さらに後続のヌックマムを取り出します。そこで得られる液が nước mắm long です。

Phú Quốc の地域技術規則は、nước mắm long を、cốt を抜き終えた chượp に飽和食塩水、またはより độ đạm(総窒素量を示す指標)の低いヌックマムを加え、残る成分をさらに取り出して得る液と定義しています。

同規則が具体的な kéo rút 工程として示すのは、飽和食塩水を複数の chượp の樽へ順に循環させて long 1 を得る方法です。同様の工程を繰り返し、long 2、long 3…… と段階的に取り出します。

nước mắm cốt を取り終えた chượp

飽和食塩水を複数の樽へ循環させる

long 1

同様の抽出を繰り返す

long 2、long 3……

Phú Quốc の製法例。long の工程や呼び方は、地域・製造体系によって同一とは限りません。

つまり nước mắm long は、完成した cốt に水や塩水を直接混ぜて薄めたものではありません。飽和食塩水などを熟成済みの chượp に通し、残る成分をさらに抽出して得る魚醤液です。

また、long 1、long 2、long 3 は、日本語の「一番搾り、二番搾り、三番搾り」と単純に置き換えられません。加えた液を複数の chượp の樽へ順に通すため、同じ樽を搾った回数だけを表しているわけではないからです。

cốt と long の違い

Nước mắm cốt
十分に熟成した chượp から最初に得る魚醤液。

Nước mắm long
cốt を取った後の chượp に、飽和食塩水またはより độ đạm の低いヌックマムを加え、残る成分をさらに取り出して得る後続の魚醤液。

製造工程の中で nước long が何を指すかは比較的明確ですが、long という名前そのものの由来には定説がありません。

液を chượp に繰り返し通す抽出・循環工程と結びつけて説明する見方や、後続液の性質に由来するとする説明があります。また、ベトナム語には液体を沈殿させて澄ませる意味の lóng という別の語もあります。

ただし、これらのうち、いずれか一つを long の語源として確定することはできません。

つまり、製造用語としての nước long の意味は説明できても、「なぜ long と呼ぶのか」は一つに確定できないということです。製造工程上の意味と、言葉の語源は分けて考える必要があります。

出典・参考:TCVN 8336:2010「Chượp chín」(cái chượp の定義)/Hội Nước mắm Phú Quốc「Chỉ dẫn địa lý」(nước mắm long 1・2・3 の循環抽出)/QCĐP 01:2023/KG「Nước mắm Phú Quốc」

Nước nhất、nước hai、nước ngang――呼び名は全国共通ではない

抽出液には、産地や製造体系によって別の呼び名も使われます。

  • nước nhất/nhứt:文字どおりには「一番目の液」
  • nước hai:「二番目の液」
  • nước ba:「三番目の液」
  • nước ngang:後続抽出液などを指す地域的な呼称

たとえば Phan Thiết の製法紹介では、最初に得る nước nhất を nước mắm nhỉ と呼び、その後に nước hai や nước mắm ngang を取り出す例があります。

一方、Phú Quốc では nước nhứt が、単なる抽出順ではなく、複数のヌックマムを配合した後の品質区分として使われる資料もあります。

つまり、同じ言葉でも、どの液や区分を指すかは産地・製造体系によって変わる場合があります。全国共通の「一番液・二番液・三番液」と決めつけないことが大切です。

また、「北部では nước ngang、中部~南部では nước long」といった単純な地域分けもできません。nước ngang は Phan Thiết などでも確認され、long も複数地域の製造資料に登場します。

出典・参考:Hiệp hội Nước mắm Truyền thống Việt Nam「Bình Thuận: Tự hào có nước mắm Phan Thiết」(nước nhất、nước mắm nhỉ、nước hai、nước mắm ngang)/Hội Nước mắm Phú Quốc「Chỉ dẫn địa lý」

最後は pha đấu――性質の異なる液を配合する

最初に得た nước mắm cốt と、その後に得た nước mắm long は、必ずしもすべてが別々の商品になるわけではありません。

性質の異なるヌックマムを組み合わせ、目標とする品質へ仕上げる工程があります。これを pha đấu(ファー・ダウ)と呼びます。

Pha は「混ぜる・調合する」、đấu にも複数のものを混ぜ合わせる用法があります。魚醤製造では、配合・ブレンドと考えると分かりやすいでしょう。

Phú Quốc の例では、nước mắm cốt と long 1、long 2、long 3 を適切な割合で組み合わせ、目標とする độ đạm(窒素量の水準)と風味へ調整します。

Phú Quốcのnước mắm cốtと各段階のnước mắm longをpha đấuする図
Phú Quốc の例。cốt と各段階の long を pha đấu(配合)し、目標とする品質へ仕上げる。

これは、発酵・熟成を終えた原料から得た性質の異なる魚醤液同士を組み合わせる、製造工程上の仕上げです。

出典・参考:Hội Nước mắm Phú Quốc「Chỉ dẫn địa lý」(nước mắm cốt、long 1・2・3 の pha đấu)/QCĐP 01:2023/KG「Nước mắm Phú Quốc」

結論|「一番搾り」は厳密な製造用語ではない

ここまで見てくると、日本語の「一番搾り」を、そのままベトナムの製造用語へ置き換えられない理由が分かります。

  • 熟成前の段階で nước bổi が出る場合がある
  • nước cốt は、十分に熟した chượp から最初に抜き取る液を指す
  • nước mắm nhỉ の nhỉ は「一番」ではなく「滲み・滴る」という出方に由来する
  • 産地によっては kéo rút を繰り返して nước mắm cốt を整える
  • cốt の後にも nước mắm long を取り出し、最後に pha đấu する製法がある

「一番搾り」に最も近いものを挙げるなら

あえて日本語で「最も濃い原液に近いもの」を挙げるなら、良質な chượp から得られる nước cốt や、自然に少しずつ滴り出る nước mắm nhỉ が近いでしょう。

ただし、「最初に一回だけ搾り、その一回目の液をそのまま完成品にする」という意味での一番搾りは、伝統的なヌックマム造りを正確に表す概念ではありません。cốt や nhỉ という名称だけで、全国共通の最高級品と判断することもできません。

ヌックマムは、熟した chượp からただ液を搾り出して終わる調味料ではありません。どの段階で液を取り出すか、どのように濾過・循環させるか、後続の液をどう得るか、最後に何を配合するかまで含めて、一本の仕上がりが形づくられます。

抽出前の発酵・熟成工程を詳しく知りたい方へ
魚と塩を chượp として仕込み、発酵・熟成させ、十分に熟した chượp chín になるまでの工程は、以下の記事で詳しく解説しています↓

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độ đạm、総窒素、アミノ酸態窒素の意味と、数字が高いほど必ず高品質・おいしいとは限らない理由を知りたい方には、「Độ đạmとは? ヌックマムの30°N・40°Nの意味を徹底解説」がおすすめです。

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