Vietnam Foodspedia
Orange mud crab
アカテノコギリガザミ
丸みのある額の歯と、低く目立ちにくいはさみの棘が目印になる、ベトナムの cua lửa。
Scylla olivacea (Herbst, 1796)Cancer olivacea Herbst, 1796
アカテノコギリガザミ(Scylla olivacea の和名。)
Orange mud crab(Scylla olivacea に用いられる英名。)
Cua lửa(ベトナム中部の Thừa Thiên Huế やメコンデルタで Scylla olivacea を指す呼び名。)
どんな食材?
アカテノコギリガザミは、マングローブや河口などの汽水域にすむノコギリガザミ属の一種。ベトナムでは cua lửa と呼ばれる。幅広い甲羅と太いはさみを持ち、雄は甲幅18cmに達することがある。これは種として知られる最大値で、日常の販売サイズを示すものではない。メコンデルタ下流域で2種のノコギリガザミを育てた2004年の試験では、200gを最低の市場サイズ、300gを高値がつく目標サイズとしており、当時の地域市場での大きさの目安になる。
蒸した個体をトゲノコギリガザミと比べた海外の試食では、甘味はやや控えめで、身はより締まり、詰まりがよいと評価されている。はさみの身も厚いとされた。ベトナム産だけを比べた官能評価ではないため、産地や育ち方を問わない一律の食味とはいえない。
ベトナムでの使われ方
アカテノコギリガザミはベトナムで漁獲され、沿岸部では養殖対象として扱う例もある。ノコギリガザミ類の出荷は生きた硬殻ガニが中心で、軟殻ガニも生産される。種別の販売割合は分かれていないため、この売られ方をアカテノコギリガザミだけの比率として読むことはできない。
メコンデルタではトゲノコギリガザミが95%を超えるとされ、アカテノコギリガザミは少数側に位置づけられる。過去の一つの河口漁業調査では漁獲の3.2%だったが、これは現在のベトナム全国の流通割合を表す数字ではない。
料理では、塩・唐辛子・レモングラス・ニンニクを合わせて炒める cua lửa rang muối、ビールで蒸す cua lửa hấp bia などの例がある。殻付きのまま火を通し、はさみや脚、胴の身を取り出して食べる料理で、締まった身を香辛料や蒸気の香りと合わせる。
見分け方
近縁のトゲノコギリガザミと比べると、目と目の間の甲羅の縁に並ぶ歯が低く丸く、歯の間の切れ込みも浅い。はさみの付け根側の節や、はさみ本体の上面にある棘も低く、鈍く目立ちにくい。トゲノコギリガザミでは額の歯がより三角形で、はさみの棘もはっきりする。
アミメノコギリガザミは、脚やはさみに多角形の網目状模様が出やすく、額の歯とはさみの棘もより発達する。アカテノコギリガザミではこの網目状模様が目立たず、甲羅は褐色から褐緑色、はさみは橙色から黄色味を帯びることがある。色には幅があるため、赤みだけで種を決めず、額の歯とはさみの棘、模様を組み合わせて見る。
