Vietnam Foodspedia
Pepper elder
ウスバナコショウ
軽い酸味とみずみずしい歯切れを生かし、生の和え物や短時間加熱で食すコショウ科の葉物。
Peperomia pellucida (L.) KunthPiper pellucidum L.(Kew が同種の異名として扱う。)
Pepper elder(Peperomia pellucida に対応する英語普通名。)
Rau càng cua(ベトナムで食用名として用いられる主要な名称。)Càng cua(Rau càng cua の短い呼び方として用いられる。)Rau tiêu(Peperomia pellucida を指す別名として記録される。)
どんな食材?
コショウ科の一年草ウスバスナゴショウは、やわらかな葉と茎を食べる葉物。ベトナムでは rau càng cua と呼ばれ、根を除いた若い地上部を生のまま、または短時間加熱して食す。葉は小さなハート形から卵状三角形で薄く、淡緑色の茎は半透明で水分を多く含む。Càng cua は「カニの爪」の意で、その葉の形状を形容したもの。コショウ科ではあるが、粒の香辛料ではなく、生鮮の葉茎を野菜として食べる。
生で食べると軽い酸味があり、茎葉はみずみずしく歯切れがよい。薄い葉と多汁質の茎を一緒に食べるため、噛むと水分が感じられ、さっぱりした酸味と軽い歯触りが残る。生のまま和える料理では、このみずみずしさと歯切れを残したまま他の具材に合わせられる。
ベトナムでの使われ方
ベトナムで代表的なのは、生の葉茎を甘酸っぱい調味液で和える gỏi や油酢和えだ。たとえば gỏi bò rau càng cua(牛肉との和え物)は、火を通した牛肉、玉ねぎ、トマトなどと生の本種を合わせ、酢や砂糖を使ったたれで和える。rau càng cua trộn cá mòi(イワシ缶の和え物)では、缶詰のイワシとトマト、玉ねぎなどを合わせる。卵を添える油酢和えもあり、肉や魚のしっかりした味に、本種のみずみずしさと歯切れを加える。
和え物以外では、生のまま煮魚や煮肉の汁につけて食べる、挽き肉などと汁物にする、さっと炒めるといった食べ方もある。加熱するとやわらかくなりやすいため、汁物では最後に加え、炒め物では短時間で仕上げるレシピが多く見られる。生食では食べる直前に調味液と合わせ、歯切れを残す作り方がある。
庭先などに自然に生えたものを摘んで食べる例がある一方、生鮮品として販売される例もあるが、他の野菜ほど流通量は多くない。身近に生える草を副菜にする食べ方が従来の姿である。
