ナンヨウチヌ

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Vietnam Foodspedia

Pacific seabream

ナンヨウチヌ

蒸す、煮る、揚げる、変幻自在の黒いタイ。

学

Acanthopagrus pacificus Iwatsuki, Kume & Yoshino, 2010

和

ナンヨウチヌ

英

Pacific seabream(本種の記載時に付された英名。)Pikey bream(オーストラリア北部準州政府が本種に使う英名。)

越

Cá tráp đen(フーイエン省スアンザイ湾で本種に使われる名称。2026年のベトナム公定リストでは Acanthopagrus schlegelii にも同名が使われる。)Cá tráp đuôi xám(メコンデルタで本種に使われる名称として記録される。)

どんな食材?

ナンヨウチヌは、タイ科クロダイ属の Acanthopagrus pacificus という食用魚。西太平洋に分布し、ベトナムではハイフォン、フーイエン省スアンザイ湾、北部のティエンイエン河口などで記録されている。体は左右に平たく、背から腹まで高さのあるタイ型で、料理では主に身を食す。

生鮮時の頭部と体は銀灰色で、頭と腹の下側はやや白く、背びれ・尾びれ・臀びれ・腹びれは暗色。ベトナム語名には cá tráp đen と cá tráp đuôi xám が見られる。

ベトナムでの使われ方

フーイエン省スアンザイ湾では、本種が cá tráp đen の名で底生魚として記録され、養殖の可能性がある魚種に含まれている。チャーヴィン省ズエンハイ沿岸でも、本種は経済価値のある漁獲対象に挙げられ、地域の小規模な漁業で扱われる。

Cá tráp đen は、ナンヨウチヌ以外のクロダイ属の魚にも使われる呼び名。この名で呼ばれる魚の調理例には、しょうゆ・ショウガ・ネギと蒸す cá tráp đen hấp xì dầu、塩漬け青菜 dưa cải と煮る cá tráp đen nấu dưa cải、衣を付けて揚げる cá tráp đen chiên などがある。

見分け方

Acanthopagrus schlegelii との識別には、背びれ前方の硬い棘のうち第5棘の基部から側線までの鱗列数が役立つ。本種は3.5列、A. schlegelii は5.5列とされる。

Acanthopagrus berda は、本種が2010年に記載される以前から混同されてきた近似種。尾びれを除く体長(標準体長)約13cmを超える A. berda では、上顎後端の上にある眼の下の骨の下縁が深くくぼむ。本種は約30cm未満ではそこがほぼ直線で、35cmほどになると中程度のくぼみが現れる。臀びれの硬い棘の後ろに並ぶ軟らかい条(軟条)は、本種が通常8本、A. berda は通常9本。

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