Vietnam Foodspedia
Beef
牛肉
フォーから炭火焼きまで、部位を使い分けるベトナムの身近な赤身肉。
どんな食材?
牛肉は、牛の筋肉を中心に食べる赤身肉で、ベトナム語では thịt bò という。ベトナムの国家標準では、牛肉は Bos taurus、Bos indicus と両者の交雑個体の肉とされ、スイギュウの肉 thịt trâu とは区別する。
生の肉は赤色を基調とし、脂肪を含む部位では赤身の間や外側に脂が入る。加熱すると牛肉特有の香りと甘みが感じられるが、やわらかさや脂の量は部位による差が大きい。よく動く部位には結合組織が多いものがあり、薄切りや煮込みに向く部位がある一方、比較的やわらかな部位は短時間の加熱にも使いやすい。ベトナム料理でも、この部位差を生かして薄切り、角切り、ひき肉、煮込み用などに姿を変える。
ベトナムでの使われ方
牛肉の代表的な使い方の一つが phở bò(牛肉のフォー)である。米麺に薄切りの牛肉を合わせ、牛のだしを使った熱いスープを注ぐ。ハノイでは朝食として食べられる場面もあり、店では生に近い薄切り肉を熱いスープで火入れするタイプや、火を通した部位をのせるタイプが見られる。
中部の bún bò Huế(フエ風の牛肉入り米麺)では、牛骨とレモングラスを煮出したスープに牛すね肉などを合わせる。南部で知られる bò lá lốt は、味付けしたひき肉を lá lốt の葉で巻いて炭火で焼く料理で、米麺や生野菜、ライスペーパーと組み合わせて食べる。北部風の bún riêu cua(田ガニの酸味のある汁麺)でも、薄切り牛肉をさっと湯通しして具にする例がある。牛肉は一つの調理法に固定されず、薄切りを短時間で火入れする料理から、ひき肉の炭火焼き、骨や締まった部位を生かす汁物まで、部位と切り方に応じて使い分けられる。
見分け方
スイギュウ肉との見分けでは、名称表示や由来を確認するのが基本になる。見た目の傾向として、牛肉は赤色が比較的明るく、脂は淡い黄色を帯び、肉の繊維は細かく見えることがある。これに対してスイギュウ肉はより暗い赤色になりやすく、脂が白く、繊維が太く粗く見えることが多い。
